第2章 *雨が強かった日【イデア・シュラウド】
ここで思い出さないといけないことが一つ。
そう、私は今パーカーしか着ていないのだ。上はもちろん下も履いていないので下手に変な体制を取ると、見えてしまう。
だから私は一番安全な足を伸ばした状態で座ることにした。ちょうどベッドもあるしそこに寄りかかるようにして。
イデア先輩は絆創膏をどこからか取ってくると、私の近くに寄ってきた。そして彼の手が私の足に触れる。
さっきまであんなに動揺してたくせに、脚に触るのは平気なんだなとか思ったが先輩の目は少し集中したような表情をしていた。
一応手当てだからなのか。
だが、触れた手が少し冷たくて思わず「ひゃっ」と声を上げると先輩はその声に驚いて両手を上げた。まるで打たないでと言ってるみたいに。
「ご、ごごご、ごめん!!拙者みたいな引きこもりに足触られるとか気持ち悪いですよね!?ああああ」
「そんな、あの、本当に大丈夫です…。先輩のこと気持ち悪いとか思ってないので」
私がそう言うと先輩は安心したのか、良かったと呟きながらまた絆創膏を手に取った。