第1章 *声のボリュームは抑え気味に。【セベク・ジグボルト】
部屋に入ると、何やらいつもより静かで少しだけ違和感を感じた。グリムはどこに行ったのだろう。
またエース達のとこへ遊びに行ったのだろうか。
「なんか、グリムどっか行っちゃったみた…んぅっ!」
そう言いながらセベクの方へ振り返ろうとすると、ぐっと腰に手を回され唇を塞がれた。
少し強引な彼に驚いてしまう。
「んっ、ぅ、」
何度も何度も角度を変え、長いキスを繰り返す。
すると私の息が苦しくなり少しだけ口を開いたタイミングでセベクの舌が私の口に入ってきた。
初めてする深いキスに少し戸惑いを感じたものの、彼の舌の熱にすっかり落ちてしまい流されるままキスをした。
上顎を舌でなぞられると体が反応してしまい、足の力が少しずつ抜けていく。
「…どうした人間、いつもの威勢はどこいった?」
フッと意地悪そうに笑う彼。
ずるい、あんな長いキスをしてきたのはそっちなのに。
何を言えず悔しそうに彼を見つめると、彼は私をヒョイっと抱き上げベッドの上に優しく下ろした。