第1章 *声のボリュームは抑え気味に。【セベク・ジグボルト】
「ちなみにお前、よくセベクの話してたけどめっちゃ楽しそうだったぞ」
「ええ、嘘…」
「ああ、いつ本当のこと言うのかこっちはずっと待ってた」
「…お前、セベクのこと好きだったのか??」
グリムの唐突な質問に私は目を丸くした。
私が…セベクを…
「んん!?え!そうなの!?」
「いや!お前のことだからな!?」
私ってもしや、あのバカ声デカ男のことが好き…??
想像してもなかったことを言われ、頭の処理が追いつかない。
同じクラスのよく話す男の子。
馬鹿みたいにまっすぐで、ある意味馬鹿で。
でも、怪我した時にすぐ飛んできてくれるような優しい…
「好きなのかも」
ふと口からこぼれた言葉。
今までまったく気付かなかった自分の気持ちを、2人は最初から分かっていたのだろうか。
…バカだなあ、私も。
「セベクの部活が終わったら、夜にでもディアソムニア寮に行ってみようかな…」
「おう、頑張れよ」
エースとデュースに応援され、私はお菓子でも作って彼の元へ行くことを決意した。