• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第4章 夕虹



とろとろと眠っては起きを繰り返し。
夢と現実がごっちゃになってる感覚のなか、額に、ひやりとしたものが貼られたことに、意識が再びはっきりした。


心配そうな表情をしたニノが、俺をのぞきこんでる。
その指がそっと俺の頬に触れた。
俺は、ぼんやりとその顔を見上げた。


「……大丈夫?サト……」

「ニ……ノ……」


朝よりよりいっそうがさがさになった声で、彼の名を呼ぶ。
ニノは困ったように微笑んだ。



「下がんないね、熱。何か飲む?スポドリ買ってきたよ」

「……おまえ……学校は?」

「終わってるよ。何時だと思ってるの。飯は?何か食べた?」

「いや……」

「なんも食べてないの?」


もー……やっぱサトは一人にはできないなぁと、言いながら、コンビニのビニールから、なにやらガサガサ出してる。

泣いていた昨日のことには、一切何も触れずに。

いっそ不自然なほどフラットな態度に、俺はニノに顔を向けた。

/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp