• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第8章 Good!!



いやいや、待ってくれ。


カードなんて受け取ってる場合じゃねぇよ、俺。


手の中の薄い黒色のカードをじっとみつめる。
予想外の展開に混乱してきた。


基本、ちょっとやそっとのことじゃ動じない度胸はあるつもりだけど。


この展開は破天荒すぎないか??



俺は、とりあえず純粋な疑問を呈してみる。


「………あのう。こんな事言うのもなんなんですけど」

「はい」

「……………昨日の今日で、俺のことそんなに信用していいんですか」



櫻井さんの瞳がくるんと瞬いた。


だってそうだろう。
昨日、俺雇われたばっかだぞ。
俺の家事スキルも確認してないのに、いいのか?


それに。



「………それに、櫻井さんの弟の世話っていうけど、まだ俺、出会ったこともありませんよね」


すると、櫻井さんは、肩をすくめて微笑んだ。


「ああ、それに関しては、大丈夫だと思います。こんな人が来るよって、昨晩、履歴書は見せといたんで」

「え?」

「うんって言ってました」

「……………」



いや、違うだろ


頭が痛い。
俺が心配しすぎなのか?
この人天然か?


慌てて続ける。



「俺が悪人だったらどうするんですか。お金とって、このあとドロンするかもしれませんよ」


「……履歴書にありましたけど、大野さん釣りが趣味でしょ?」


「?………はぁ」


「釣り好きに悪いやつはいない。と、父が言ってたもので大丈夫かと」


そういって、ふわりと笑う櫻井さんに、俺は思わずその場にへたりこみそうになった。
/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp