• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第8章 Good!!



「…実は、長年勤めてくださっていたお手伝いさんが、先日体調を崩されて辞めてしまいまして」

「…はぁ」

「私は家事がてんで駄目で、ほとほと困りはてているところでして…」

「…はぁ」

「それでもなんとかやっていたのですが、来週から私が急な海外出張に行かなければならなくなり、急遽家事を手伝ってくださる方をさがしていた次第です」





話がみえない。

櫻井さん海外出張行くんだろ。
じゃ、お手伝いなんていらないんじゃ……


そう思っていたら、櫻井さんは、クリアファイルから一枚の写真を取り出し、俺の目の前に置いた。
そこには、色白の繊細な雰囲気の男の子が写ってる。


「弟…のようなものです。今、学校に行ってるので留守ですが、高校2年です」


「……弟」


の、ようなもの?


「二宮和也といいます。……幼い頃に離婚して出ていった私の母が、再婚してできた子供なので、姓は違いますが」


櫻井さんは、はぁと、ため息をついた。


「……母は5年前に亡くなっています。和也の父親は……いません」


………いません?

そこで、櫻井さんはそれ以上は語らないというように、少し言葉を切った。

俺は、その空気を察し、浮かんだ疑問符を飲み込んだ。


言いたくないんだ。

/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp