第7章 月虹
雅紀さんの予言通り、俺は次の日ベッドから起き上がることすらできなかった。
なんなら、微熱までだして、雅紀さんを盛大に心配させた。
「……ごめんね」
しょぼんとして俺に添い寝してくれる雅紀さんは、朝からごめんだとか、無理させただとか、謝ってばかりだ。
だけど、めちゃくちゃ大事にすすめてくれたのは分かってるし、もともと抱いてってお願いしたのは俺だ。
「………大丈夫ですってば」
俺は、笑って、雅紀さんにすり寄る。
体温の高い人なのだろう。
くっつくと、ホカホカしてとても心地よい。
「まだ熱っぽいかな?」
俺の額にこつんと額をあわせた雅紀さんは、表情をくもらせる。
「………寝たら治ります」
くすと笑って、俺は雅紀さんの広い胸にピタリとくっついた。
雅紀さんは「……そう?」といい、俺をそっと抱き込んだ。
いつも照れてできないような甘え方が、今ならできる。
……それは、とてもくすぐったくて、嬉しいことだ。
痛みなんて、なんてことない。
こうやって、雅紀さんに心配されながら甘やかされてベッドにいれるのなら、ひどくされてもいいとすら思うよ。
「…カズ?寝た?」
…………寝たフリだってしちゃうし
「ふふ………可愛い」
……………俺は男だってばっ
「……………愛してる」
………………………
「こら、起きてるでしょ笑」
………………雅紀さんに、あまり嘘は通じない。