第7章 月虹
日曜日、ずっと寝ていた………まぁ、正確にはベッドでイチャイチャしていたおかげで、月曜の朝にはなんとか体も動くようになり、ホッとして出社する。
「ニノ〜おはよう」
「あ、おはようございます」
今日も元気にやってきた横山さんが、俺をみつけるなり、ニヤと笑って近づいてきた。
その顔に、なぜだか警戒心がわき、知らず身構えると、案の定、横山さんは俺の耳元で、
「どやった?よかったか?」
と、聞いてきた。
俺は、瞬時にその意味を察し、顔が爆発するかと思った。
「……な、何のことで…」
「隠さんでもええがな。相葉ちゃんから、ちゃーんと報告うけとる」
「は?え……」
俺は目が点になった。
…………雅紀さん何の報告してんだよ!!
顔が真っ赤になったのが自分でわかる。
「体大丈夫か」
「あ…はい………」
「そっか。無理すんなや」
「………はい」
………もうやめてくれ
恥ずかしくて、うつむいてると、横山さんは少し真面目な声になった。
「………ニノ。相葉ちゃんをよろしくな」
………………
思わず顔をあげると、横山さんは穏やかに笑っていた。
それは、雅紀さんのことを今までずっと心底気にしていた、友人の表情であった。