第7章 月虹
ググっと、力がこめられる。
「ああ……!」
鋭い痛みに思わず声をあげた。
雅紀さんの背中にぎゅっとしがみつく。
「ごめん……っ」
「あっ……雅紀さん………!」
謝らなくていいって言いたいのに。
全身から汗がふきでてきて、それどころじゃない。
「はぁっ………はっ……」
喘ぎ声をごまかすように、呼吸する。
少し離れて、また少し深く入ってきて、を何度繰り返したか。
やがて、くちゅ……という微かな音とともに、雅紀さんの腰が俺の太ももにピタと触れた。
「…………はいった」
雅紀さんの囁く声がして、我に返った。
「はぁ………っ……ほんと……ですか?」
「うん……大丈夫かい?」
「……は……い」
痛くないか、といえば痛い。
お腹が熱くて、繋がったところが熱くて痛い。
でもそれ以上に、心がすみずみまで満たされていた。
「嬉しい………です」
幸せだった。
俺の中に雅紀さんがいる。
体を繋げることが全てではないのは、分かっているけど、交わることが難しい体で、こうやって熱を分け合えることができるのは、すごいことだと思う。