第7章 月虹
脱いだ雅紀さんを指の間から、見る。
綺麗についた筋肉や細い手足は、モデルのように美しい。
あんなに食べるくせに腹筋なんかバキバキだ。
だけど、その中心は俺に対しての情欲を象徴するかのように、はっきりそそり立っていて………そのアンバランスさが、すごく気恥ずかしい。
………あれが俺の中に入るんだ
「………なに?」
「や。なんでも……」
俺の視線に気づいたのか、雅紀さんが自分の下半身をみて苦笑する。
「………カズのせいだよ」
雅紀さんは隠すでもなく、そのまま再び俺に覆いかぶさった。
そして、俺の手をそっととり、赤いであろう俺の目元や唇に軽くキスをした。
「ん………」
何度か啄んだあと、優しく唇を離され、雅紀さんは、ちょっとだけ待ってて、と再び体を起こした。
そして、何やら引き出しをあけたりゴソゴソ準備を始める。
……ローションかな?
「あ…必要なもの持ってきました」
「え、ほんと?」
「あの、俺のリュックに…」
「じゃあ、それは次に使おう。俺もあるよ」
言って、雅紀さんは小さなボトルを俺に見せた。
………………用意…してくれてたんだ
俺との関係の先を考えてくれていたことに、少なからず嬉しく思った。
「俺だって。カズとしたいって思ってたからこれくらいの準備はしてたんだよ」
新品のボトルの蓋をピリピリ開ける雅紀さんをぼんやり見つめる。
使いかけとかだったら、ちょっぴりヤダなって思ってたけど、そこはさすがだ。