第7章 月虹
こんな情熱的なキスなんて知らない。
俺は、雅紀さんに翻弄されながら、その心地いい口づけに酔ってた。
雅紀さんは何度も舌を絡め、歯列をなぞっては、俺の唇を吸い、愛おしそうに俺の頭や背中をなぞった。
2人分の唾液が混ざり、それがみだらな水音をたてる。
五感すべてで感じてしまう。
「ん……ふぁ…んっ」
徐々に体が発火しそうなほど熱くなってゆく。
キスだけでは我慢できなくなりそうで、俺は、必死に雅紀さんの背中をつかんだ。
やがて、雅紀さんは、ゆっくり唇を離して、俺の額にちゅ……と、キスをした。
「……ベッド行こうか」
「…………」
こくりと頷く。
でも、立ち上がろうとしたけと、足腰がぬけたように力が入らない。
「あ………れ」
「………そのまま。力抜いてて」
雅紀さんは低く笑って、俺の膝裏に腕をいれ、抱えあげた。
これから2人でしようとしてることが、目前に迫り、俺は嬉しい半面恥ずかしくて、雅紀さんの首にしがみついた。