第7章 月虹
雅紀さんが、息をのんだのが分かった。
でも、俺はかまわずに雅紀さんにしがみつく手に力をこめた。
「……お願い…します」
恥ずかしくて顔をみれないから、広い胸に顔をうずめた。
………沈黙が長い。
「……………えっと……」
ようやく、雅紀さんが掠れた声をあげる。
「…………本気、かい?」
「………はい」
信じられないといった声音に、こくりと頷いた。
本気じゃなかったら言えないよ。
「………わかってる?男同士は………その…される方が負担が大きいんだよ?」
雅紀さんが、こわごわとたずねてくる。
「……知ってます」
「………最初は、痛い………かも、よ」
「大丈夫です」
「……………いや、でも……」
尚も、もごもごと戸惑う雅紀さん。
俺のことを心配してくれてるのが嫌という程わかるから。
「……俺、雅紀さんと1つ進みたい」
意を決して彼を見上げた。
雅紀さんは、ほんのりと赤い顔で、呆然としてる。
俺はあえて笑ってみせた。
「俺としよう………雅紀さん」