第7章 月虹
テレビの画面が、0時からの番組に切り替わった。
賑やかなタイトルコールとともに、お笑い芸人の人達が、たくさんでてきた。
………よし
俺は、改めて雅紀さんを見上げ、ニッコリ笑った。
「……雅紀さん、お誕生日おめでとうございます」
すると、雅紀さんは目尻をさげ、嬉しそうに微笑んだ。
「ありがと」
「あの……俺を………恋人にしてくれてありがとうございます」
「ふふっ………うん、こちらこそだよ」
そう言って雅紀さんは俺を抱き寄せた。
大きな胸に抱かれて、小さい子にするみたいに頭をなでられる。
「ずっと……そばにいてね、カズ」
そして、確かめるように囁かれた。
これにはとてもとても色んな意味があるのだろう。
これまでの出会いや別れをも含めて。
「………はい」
俺は、こくんと頷いた。
大丈夫だよ、雅紀さん。
俺はとてもじょうぶだし、運だけは持ってるつもり。
あなたの前から消えたりしないから。
「います……ずっと」