第7章 月虹
2人で寄り添ってソファに座り、まったりと時間を過ごした。
雅紀さんと俺の膝にかけた大きなブランケットはフワフワしてとてもオシャレだ。
ポツポツと言葉を交わしながら、ぼんやり報道番組を見てたら、それらはもうすぐ終わろうとしている。
キャスターの人達が、また明日、と挨拶して一礼してる。
………もうそんな時間?
時計に目を走らせれば、0時5分前。
俺は、なぜだかちょっと緊張してきた。
でもちゃんと雅紀さんの目を見て言おう、と心に決める。
まずは、お誕生日おめでとうございます、だよね。
それから………えっと
カバンの中の黒い紙袋を思い出していると。
雅紀さんは、そんな俺の緊張を感じとったのかハイボール片手に、くすっと笑った。
「………どうしたの。真顔になってるよ」
「そ、…そうですか?」
慌てて、両手でペタペタと頬を触る。
「眠い?」
「………いいえ」
雅紀さんは、そうだ、と思い出したように、寝室を指さした。
「寝るの俺のベッドで一緒でもいいよね?」
「………………はい」
「俺、イビキかいちゃったらどうしようかなぁ」
「は………はは」
のんきな発言に、心臓がとまりそうだ。
…………イビキとかいってる場合じゃないよ。雅紀さん。