第7章 月虹
脱衣所で、スエットを脱ぎ、下着を脱ぐ。
自分の家にはない位置にある大きな鏡に、自分の肌がうつりこむのに気づき、そそくさと扉を開けた。
雅紀さんが、あらかじめ浴槽の蓋を開けててくれたみたいで、室内は、ほわほわした湯気で暖かい。
几帳面な雅紀さんらしく、床も壁もピカピカだった。
失礼しまーす………
恐る恐るシャワーをだすと、味わったことのないような優しい水圧の湯がでてきて感激してしまった。
コマーシャルでよく見るシャワーヘッドなのだろうか。
緊張していた体が解れてゆく。
横文字の高そうなボトルの中身を手に取った。
shampooとかかれているそれを、自分の頭につけてワシャワシャもむと、雅紀さんの髪と同じ香りがした。
まるで雅紀さんに包まれているような……
…………
………ドクンと心臓が鳴る。
雅紀さん…………
ドキドキと急に走り出した鼓動のままに、泡だらけの震える手をそっと自分の尻に這わした。
今日はここに雅紀さんを受け入れるんだ
決めたんだ
中指を軽くそこに添わせ………息をつめて、グッと押した。
……………!
シャンプーのぬめりが手伝って、するりと指が飲み込まれた。