第7章 月虹
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昨夜は、久しぶりにオンラインゲームに熱中してしまい、今日は寝不足だ。
明日の仕事の段取りをつけ、首を鳴らす。
同じ姿勢でずっといたから、体も痛い。
いつまでも学生気分でいるなよ、と、怒られそうだ。
だが、パソコンの画面から目を離し、大きな欠伸をした瞬間、ひとつ向こうのデスクにいる、横山さんと目が合った。
げ
横山さんが、にやっと悪そうな顔で、立ち上がりこちらに寄ってくる。
暇なのか?この人は!
また、俺に絡んでくるのだろう。
丁度、休憩している人間や営業にでてる人間の多い時間帯のようで、俺の周りにはたまたま誰もいなくて。
しょうがないな………遊んであげようか
少々構えつつ、寄ってくる横山さんを見上げた。
「………なんですか」
「なんや、体痛そうやん」
「………なんでですか」
「や、腰さすっとったから」
「ああ……」
まさか、夜中までゲームしてましたとはいえないなぁ、と一瞬言い淀んだら、
「…………やっと、相葉ちゃんとできたんやね?」
横山さんが、小さな声で意味深な顔をするもんだから、キョトンとしてしまった。