第7章 月虹
浴槽につかって、ふー…と、天井を見上げた。
雅紀さんは………どう思ってんのかな
恋人同士になって半年以上がたつが、俺たちはまだ寝たことがない。
キスも、優しいキスから、ディープなやつに一向に進まない。
雅紀さんとのキスはとてもドキドキするし、嬉しいけど……恋人ならば、もっと関係を深くしてもいいんじゃない?と正直思ってる。
………やっぱあれかな
雅紀さんは、昌宏さんと付き合ってるときは、おそらく愛される側だったはずだ。
でも、俺と付き合うことによって、立場は逆になってる気がする。
体格的にも。
精神的にも。
それはもしかしたら、雅紀さんにとって、苦痛なのかもしれないとさえ、この頃思ってきた。
もしかしたら、抱かれる側のままでいたいと思ってるのかもしれない、と。
でも……俺が雅紀さんを抱くとかありえないし。
想像もできない。
だとしたら、このままずっと平行線なのかもしれないな、と思った。
両方とも抱けないなら、それを受け入れて、こういう関係のままでいるしかないのか。
……………。
唇に残る雅紀さんのキスの感触を思い出すと、体の芯が疼きそうになって、慌てて、バシャバシャと湯で顔を洗った。