• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹



俺が、想いを隠し、ずっと黙っておこうと思った、おそらく最大の理由。

俺は、震える唇を動かした。


「…………係長は……サトのお父さんをまだ愛してますか」


そして、じっと相葉さんの目を見つめた。
相葉さんは、軽く目を見開いた。


死んだ人には一生かなわない………俺はそう思っていて。

だって、2人は別れたわけじゃないから。
思いあっていたのに、突然、永遠に会えなくなった、だけだから。
愛してる気持ちが、そう簡単に消えるはずない、と思うから。


ドクンドクンとなる心臓に手を当てて、相葉さんの言葉を待つ。


すると、相葉さんは、ふっと優しい目になり、うん、と頷いた。


「………愛してるよ」

「…………っ……じゃあ」


じゃあ、ダメじゃないか。
俺は相葉さんの心には入れてないじゃんか。


少しの抗議をこめて、反論しかけると、


「でも、それは………お前を好きなのとまた違う種類の愛なんだよね」


…………………


「………どういうことですか」


うん……と、頷いて、相葉さんは、数々の写真を振り返った。
/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp