• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹



相葉さんは、そう言ってふふっと微笑んだ。


「…………だから、というわけじゃないんだけど。
もしもお互いに同じ気持ちなら、気を使ってる場合じゃないなぁって思って」

「…………」

「好きな人と、想いが重なったときって。すごく嬉しいし幸せだろ?」


「……………はい」


「もう一度……そんな想いをしてみたかった。お前にもそんな想いをしてほしかった。それが俺がアクション起こした理由なんだ」


相葉さんは、最後照れるように肩をすくめて、ずずっとミルクを飲んだ。
俺も、少し冷めて触れやすくなったマグカップを、そっと手に取った。


…………想いが重なった。


そういう表現をする相葉さんを素敵だと思った。
そして、そんな奇跡がほんとに起きたことに、俺は今更ながらドキドキしていた。
男同士なんて、極めて稀な可能性が、叶うなんてこんなことあるんだろうか。


ふと、相葉さんの肩越しに、数々の写真立てが目に入った。


……………相葉さんの亡くなった恋人。
サトのお父さん。


「…………あの。ひとつだけ聞いてもいいですか」


俺は、縋るような目で相葉さんを見上げた。
/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp