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Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹



「………っ」

「え………っ?」


点滴をしてる腕とは反対側の手をだしたせいで、バランスが崩れる。

そのまま簡易ベッドから落ちそうになった瞬間、間一髪で相葉さんが俺を抱きとめた。


「うわっ」


一緒に倒れそうになった点滴のスタンドも、相葉さんが長い足でキャッチした。


「せ…セーフ………」


「すみませ……ん」


「ううん。大丈夫?」


相葉さんがほっと胸をなでおろしながら、支えてる俺をゆっくりベッドに戻してくれる。
大きな胸はあったかくて、掴まれた腕はたくましくて……。


………じくじく痛み出したのは、胃じゃなくて、胸。


好き。
俺も好きです。


相葉さんの気持ちがほんとなら、俺も伝えなきゃ………



相葉さんは、俺を横たえてから、ほっとしたように微笑んだ。


「びっくりした……怪我しなくてよかった」

「…あ……すみません」

「…ていうか、…俺、振られたんだからさ。帰らせてよ」


相葉さんが少し泣きそうな顔で、おどけるから、俺は今度こそ相葉さんのワイシャツを掴む。


違うよ、相葉さん。


「係長……俺」

「いや、ごめん。変なこといって」

「好きで…す………」

「もう忘れて……………ん?」


口に出したら、急に腹がすわる。


そうだよ。俺は。


「係長が………好きです。俺も、好きです」


…………相葉さんが、真ん丸な目になった。

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