第6章 春の虹
相葉さんが、じっと俺を見ているから、俺は、目の上においた手をおろせずにいる。
この先どうしたらよいのか分からない。
だって、泣いた理由が、相葉さんだなんて認めれる?
はい、そうですって言えば、なんで?と言う話になる。
違うと言えばいい?
でも、それでも、じゃあ、どうして?と言う話になる。
俺は、唇をかんだ。
点滴で繋がれてるせいで、この場から逃げ出すこともかなわない。
…もう………正直に言って…………仕事、やめよっか
相葉さんに嫌われたり、軽蔑の目でみられたりしたら、どのみち俺は多分やっていけない。
そもそも、想いを抱えきれなくなった自分が悪いし。
俺は小さく息を吐いた。
こんなにすぐに泣いて、あろうことか体調まで崩すなんて、俺………そんなキャラじゃなかったのにな。
モヤモヤとそんなことを考えてると。
「ねぇ。あのさ………あの…………違ったら忘れて。
その…………ヨコが言うんだけど……二宮の好きな人って…………俺だったりする?」
相葉さんがとんでもないことを言った。