第6章 春の虹
途切れ途切れに、楽しそうな声や笑い声が聞こえてくるけれど、扉をしめてるから、会話の内容までは分からない。
サトや松本に心は揺れるけど、だんだん動揺もおさまってきて。
俺は、壁に背をあてて、はぁー…と、息を吐いた。
姿がうつりこんだらいけないから、動くわけにはいかなくって、俺はぼんやりと部屋を眺めた。
………なんの匂いだろ
くんと鼻をならす。
相葉さんの寝室はとてもよい香りがする。
男一人暮らしなんて、男臭いものだと思いこんでたけど、こんな香りの一つ一つに相葉さんはすごくお洒落で、丁寧に生活してる人だなと感じる。
部屋の大半を占めてる目の前のベッドは、みたこともないくらいデカい。
これが噂のキングサイズってやつかな。
大の大人が2人で寝ても、余裕だろう。
きっとここで恋人と、一緒に寝ていだのだろうな。
愛を囁いて、愛を確かめあって……幸せな空間であったに違いない。
……………あれ
また胸がチクンとした。
どうしたのだろう………俺は。