第6章 春の虹
来週?
とたん、むくむくと俺のお節介虫がわきでてくる。
二宮くんを祝いたい!と瞬時に思ってしまった。
でも…
「お前、彼女おるん?」
ヨコが俺が聞きたいことをさらりと聞いた。
それなんだよな。
彼女いたら、2人で過ごすだろうよ。
こんなプライベートな質問ナチュラルに聞けるのはお前しかいない。
ナイス、ヨコ!
「…いませんよ」
二宮くんが、苦笑して小さく否定した。
「ほんまか。仲間やん。ほんなら来週ニノのお祝いするでな」
「え……」
戸惑う二宮くんを置いといて、ヨコはそのままどんどん話をすすめる。
まぁ、基本、こういうのは多少強引でもいい。
当人が遠慮するからだ。
ほんとに予定があるなら、子供じゃあるまいしこの場で申告するだろうし。
「いつなん?」
「来週の金曜日です」
「ハナキンやんか!」
「………ハナキン?」
「ああ、もう!横山さん古いんですって!今どきの若い子の言葉にはありませんよ!」
「なんでや、おまえも若いやん」
「俺は、横山さんといるうちに覚えたんです!」
やいのやいの再びヨコと勝利の漫才が始まった。