第6章 春の虹
Aiba
一人暮らしが長いと、もう誰とも生活できないんじゃないかと思うほど、自分のペースというのが確立してる。
ルーティンとでもいおうか。
朝、5時に起きて、ジョギングに行き、帰ってきたらストレッチをする。
シャワーを浴びて新聞をよみ、コーヒーとクロワッサンを食べ、出勤する。
飲みに行った日は別にして、帰宅後は、簡単なものをつくり、夕飯をすませたら、入浴剤をいれた風呂でのんびり半身浴。
そのあと、晩酌を楽しみ、12時には就寝。
「……独身貴族100点満点の生活してるやん」
ヨコが、へぇ〜と感心したように笑う。
「部屋も綺麗にしてんねやろ」
「生活出来る程度にはね」
「俺なんかめちゃくちゃやで」
同じく一人暮らしの長いヨコが、えへん、と胸を張ってそんな事をいうから、勝利が、思い出すようにうんうんと頷いた。
「確かに凄いですよ。物が多くて」
「おまえ、ヨコの家行ったことあんの?」
「終電逃して泊めてもらったことがあります」
「へぇ~」
「相葉ちゃんもニノも、いつでも泊めたんで」
「……俺は枕がかわったら寝れないの」
俺が切り捨てる横で、二宮くんも、反応に困りながら、俺もです、と、頷いてる。
ヨコが、振られた!と、ぼやくのが面白かった。