• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹



まだ飲み足りない、とごねるヨコを、明日もあるから、と宥めたおし、早めにお開きとなった。

俺自身、早く二宮くんにコンタクトをとりたいのもあったし。

だが、店の外にでても、ヨコはぶうぶう言っている。


「うそやん。帰んの?もう一件行こうな~」

「え、マジですか??今から?」

「ラーメン行こ。な、行こ。」

「やですよ」

「そんなん言わんと」

「やですって。ちょっと、係長たすけてー」


まんまとヨコに引きずられていく勝利に、ご愁傷さま、と手をふる。
顔は嫌がってないから大丈夫。
なんだかんだで、よいコンビだ。

俺は、彼らと反対方向である駅に足早に歩きながら、二宮くんに電話した。

あいつの性格上、上司からの電話を無視するわけはないと思った。


案の定、少しばかり長いコール音の末。


『……はい』


二宮くんの、小さな声がした。

なんだか、後ろがざわついてる。
外だな、と思った。


「あ、二宮?相葉だけど」

『お疲れ様です……どうしたんですか』

「今どこ?」

『……なんでですか』

「パスケース。店に落としてたよ」

『……………………あ』


自分の上着のポケットを確認したのだろう。
二宮くんの、ため息が聞こえた。
/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp