• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹



上着を脱いだり着たりしてるうちに、ポケットから滑り落ちたのか。

帰り際は、心ここにあらずといった感じだったから、気がつかなかったのだろう。

明日、会社で、落ちてたぞ、と、渡してやればいいことだ。
でも…


「俺、帰りに届けるよ」

「えー係長あまーい」


勝利が、マジで?と言う顔をする。


「落としたのはあいつが悪いんだから、係長がうごいてやるのおかしくないですか」

「うん、でも、まぁ俺、家が近いし。あいつ、明日の出勤も実費は困るだろうし」

「相葉ちゃんはやさしいなぁ~、俺やったら、ありえへんわ」

ヨコがからかうのを、なんとなく上の空で聞いた。

一歩間違えたら泣きそうな風に見えた二宮くんの顔が
忘れられなくって。
なんだか、ちゃんと家に帰ってないような予感もしていた。


「そ。俺、優しい上司よ?今頃気づいた?」

「えらいすんまへん」


1つ下のはずなのに、タメ語を許しているヨコが、てへっと笑った。


/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp