第5章 白虹
*****
カフェラテを、ふーふー言いながら飲んでると、自分のブラックをいれて戻ってきた雅紀さんが、
「なんかさ、二人雰囲気かわったね」
さらりと言って、椅子に座った。
「そ……ですか?」
嘘のつけない潤は、とたんに挙動不審な動きで、ぎくしゃくとマグカップをテーブルに置く。
「…………」
俺は、牽制のつもりで、上目遣いに雅紀さんをじろりと見る。
でも雅紀さんにとっちゃ、そんなこと、へっちゃらぷーだ。
彼は嬉しそうに、俺ら二人を見比べて、うんうんと頷いた。
「無事にステップアップできたのかな」
「……あ……の」
潤がおろおろと、俺を見下ろす。
ちょっと。
俺は、赤い顔になった潤をみてため息をつく。
そんな反応したら、することしましたってバレバレだろーが。
俺は、仕方なく、雅紀さんにチクリと言った。
「……雅紀さん、潤をからかわないで」
「ふふ……呼び方もかわってる」
雅紀さんは、ますます嬉しそうに目尻のシワを深くした。
ダメだ。聞いてない。
「っ……」
俺は、火傷した舌をペロッと出した。