第5章 白虹
俺の指示で、指にローションをまとった松本は、緊張した顔で、自分の指と俺の顔を交互に見ている。
そんなに緊張したら、本番できなくなるんじゃないの?って心配になっちゃうよ。
四つん這いの俺は、くすりと笑って、そのまま枕に顔をうずめた。
「……いいよ。して」
「……うん」
後ろを柔らかく、かつ、滑りやすくしないことには、松本のあんなでかいもの入らない。
俺が、ゴーサインをだすと、松本はごくんと喉をならし、俺の腰に手をかけた。
あそこに視線を感じ、頬が熱くなる。
大体にして、この体勢はめちゃめちや恥ずかしいけど……松本が、集中できるかなと思って、あえて、のことだ。
だって、少しでも俺が苦しい顔したら、やめちゃいそうだもん。
松本の指がこわごわと俺の後ろに触れた。
思わずぴくりと体が跳ねる。
そのまま、松本がぐぐっと指を押し込んだ。
……内壁から感じる久しぶりの圧迫感。
無意識に息がつまる。
「……ぅ…ん…」
声を出したらダメだ、と思うから我慢するけど、くぐもった声が漏れる。