第5章 白虹
「……つかぬことをきくけど」
恐る恐る声をかける。
血だらけになるのは嫌だぞ、俺は。
「……どこにいれるか分かってる?」
すると、松本は大真面目にうん、と頷いた。
そうか。それはまぁ、大丈夫か。
じゃあ……
「…………まず、何するかは?」
「手順的なこと?」
「まぁ……そう」
すると、松本は、俺を抱き締めたまま、うーん……、と首をかしげてから、
「……盛り上がる?」
と、大真面目に言った。
「…………ばーか」
俺は、ぷっと笑ってしまった。
ちょっと、ベッドの下のビニール取って……、とお願いする。
松本が体を離したから、俺もゆっくり起き上がった。
渡されたビニールの中から、裏の仕事をしてるときに使ってたローションとゴムを取り出し、固まる松本に見せた。
「……これ。これがないと、できない」
「…………」
「……準備。してくれる?」
はい、と、手渡すと、松本は赤い顔で頷いた。