第5章 白虹
で。
大野さんに手を引かれ、二人でベッドにあがったはいいものの。
求めることにあっさりとOKをだされ、興奮しまくってた頭の芯が、少し冷静さを取り戻した。
けど、思考がまとまらず、ぐるぐるする。
いや、したいよ。
俺は男だし。
……でも、大野さんも男だし。
俺……男と経験ないけど……ちゃんとできるだろうか。
土壇場で勇気がでなくなるなんて、一番へたれなパターンだ。
俺が固まってると、大野さんは首をかしげた。
「……松本?」
「……あの……」
「……どうしたの?」
「その……ほんとに……いいの」
「…………いいよ」
「けど」
「……え、おまえ、したくないの?」
「……したい」
「なら……合意だよ……きて」
横たわる大野さんが両手を差し出した、
俺は、こわごわと覆い被さった。
「……びびんないでよ……俺もお前に触れたいから……一緒だよ」
大野さんはそういって、ふわりと笑った。
「………大野さん…」
桃色をしてる頬にそっと触れると、指の先に触れたこめかみは少し汗ばんでいて。
親指で目の下をなぞると、大野さんはくすぐったそうに目を細めた。