第5章 白虹
どれくらい口づけを交わしていたか。
ゆっくり顔を離すと、大野さんが潤んだ瞳で俺を見上げてた。
うっすらと赤い頬をして、息を弾ませてる彼の唇は、
熟れたさくらんぼのようで……
「…………はぁ……んっ」
たまらずにもう一度唇をあわせると、大野さんが苦しげに眉をよせた。
「……ん……ふぁ……まつ…」
息継ぎをしながら、大野さんは俺の名を呼ぶ。
「……大野さん……」
俺は唇を離して、大野さんをぐっと抱き締めた。
もはや、気持ちだけだなく、体も熱く反応していて、とまれなくなってる自覚があった。
今すぐ大野さんを組敷きたい気持ちに、自分で怖くなる。
「大野さん……ごめん……」
「……え……?」
「俺……もっともっと貴方に触れたい……」
「…………」
「どうしよ……とまんない……かも……」
髪に頬擦りするように、胸のうちを白状したら、大野さんは、ふっと、笑ったみたいだった。
「……いいよ……しよっか」
「……え」
「恋人でしょう……?俺たち」