第5章 白虹
頬に……瞼に、額に。
順番にキスをした。
「ふふ……くすぐったい」
大野さんは、また微笑んで、俺の背中に腕をまわした。
俺も笑って、大野さんとまた唇をくっつける。
不思議だね。
笑うとリラックスできる……
チュッと音をたてて、今度は額同士をこつんとくっつけた。
可愛らしい大野さんが、愛しい。
大野さんは、俺を見上げて、甘えるように言った。
「……もっとさわっていいよ」
「…………え」
「気持ちいいと思う場所は、男も女も……かわらないんだよ」
言いながら、大野さんの細い指が、俺のトレーナーのすそからするりと侵入してきた。
素肌に直接触れてくる大野さんの指の動きに、思わずぴくりと反応すると、大野さんはクスクス笑った。
なんだか、はずかしくて、俺は誤魔化すように大野さんの裾から同じように指をいれて、彼のすべすべした脇腹を撫でた。
温かな……感触。
「…………」
「…………」
そのまま上へ指をすべらし、触れた胸の先端をキュッと押した。
大野さんが、身じろいだ。
そこが、くんと硬くなってゆく。
片指で捏ねながら、もう片方を指の腹でおしつぶすと、大野さんは、
「ん…………」
と、切ない声をあげた。