第5章 白虹
話し込んでいたら、すっかり遅い時間になってしまった。
先に風呂をいただいて、入れ替わりに浴室に消えた大野さんを見送る。
ほかほかの体をクールダウンしようと、フローリングの床にぺたりと座り込んだ。
……さっきから、ぼんやり考えてることがある。
……今は11月だ。
正直夜は冷えるのだ。
さっき大野さんがつけてくれたエアコンのおかげで、今は家のなかは暖かいが、まさか一晩中つけてるわけにはいかない。
ということは……どうやって寝るのだろう?
一緒に誕生日を過ごしてほしいというから、来たけれど……
これ、俺は徹夜コース?
だって……寝る場所ないけど?
……まさか前みたいに一緒に寝るとかいう?
自分の思い付きに、愕然とする。
「……いや、笑えねぇ……どうしよ……」
だって、あのときとは状況が違う。
今は、恋人同士だ。
手も繋いだ。
キスも交わした。
なんなら、その先だって……意識してないこともないのに。
一人、もんもんとしていると、結構な時間が経過していたようだ。
「松本ー?ごめん、シャンプー足りた?」
暑いのか胸元のゆるいシャツをきてでてきた大野さんをみて、俺は飛び上がった。