• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第5章 白虹



「大野さん……これ。お誕生日おめでとう」


きれいにラッピングされた包みを、松本が、そっと差し出してきた。
俺は、それをじっと見つめ……松本を見上げた。


「……俺に?」

「……(笑)他に誰がいるの?」


松本が、照れ臭そうに、はい、とおしつけてきたから、俺は、感動しながらありがとう、と受け取った。


「あけていい?」

「うん。絶対似合うよ」

「ふふ……ほんと?」


がさがさと開けたら、中からでてきたのは、グレーのニットキャップ。
耳あてまでついたとてもお洒落なものだった。


「わぁ……」


手に取ると柔らかな質感で、とても暖かそうだ。


「嬉しい……ありがとう」


嬉しくて嬉しくて、松本に礼をいうと、松本は、にっこり微笑み、俺の手からキャップを取り上げて、俺にかぶせてくれた。


「ほーら、似合う」

「……ほんと?」

「……うん。大野さんって、意外と帽子好きでしょ。ずっとキャップかぶってるイメージだから、冬用にいいんじゃないかな、と思ってさ」


松本は、俺の両頬に手を添えて、耳あての位置を調整してくる。

……いや、向き合って、この仕草は、照れるんだけど!
/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp