• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第5章 白虹



俺の個人的な見立てだが、大野さんは雅紀さんの前にいると、とても子供っぽくなる。

言ったら怒られそうだから言わないけど、なんとなく甘えてる感じがする。
それは肉親への甘えの種類のものだとわかってはいるが……時々寂しくなる。

何をどうしたって、俺は年下だ。
そして、恋愛経験も、それに付随するいろんな経験も、きっと大野さんの方が上だ。

故に、頼りないな、と思われてるんじゃないかなと思うと……悔しいというより焦りがある。

やっぱり大人の男がいいとか。
俺みたいなお子さまなんか相手にしない、などと、何かしらの理由をつけて離れていってしまうのでは、と
思うと気が気じゃない。



「……松本くん?」


どうしたの?と、雅紀さんが、なにかを感じたかのように、俺の目をみた。
優しい光をたたえた、その温かい目に、俺は、苦笑いする。


「……いえ、なにも」

「そう?智が悪いことしたら言ってよ?叱ってあげるから」

「そんなことしないし」


大野さんが口を挟む。


「そうだよね。智は松本くんが大好きだもんね」


…………!


「……そーゆーこといわないでっ」


からかう雅紀さんに、大野さんが真っ赤になって抗議した。


やっぱり大人だ。
雅紀さんは、俺らより一枚も二枚も上手だ。
/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp