第4章 夕虹
まさか、俺が未成年ってばれたんだろうか。
そこから、大野さんまで芋づる式に真実が露見して、
バイトをクビになったんだろうか。
え、そういうこと?
急にドキドキしてきた。
「ご……ごめん…やっぱり俺、大学生の設定、無理があったんだね」
酒を飲んだことまでばれたらどうしよう。
大野さんの働き口を俺が潰した。
……どうしよう……
俺が慌ててガチで謝ると、大野さんが、ふるふる首を振って俺にぎゅっとしがみついてきた。
「……違うよ……そーゆー意味じゃない」
「え、だって俺のせいって……」
「……できないのは裏」
「……裏」
「不特定多数に体をゆるすことができなくなった」
「…………どうし……て?」
鼻声の大野さんは、俺を見上げた。
そして。大野さんは、俺を見つめて……はっきり言った。
「好きな人と……両思いってわかったのに。それでもオッサンの相手ができるほど、俺は神経太くないってこと」