第4章 夕虹
そのなげやりな態度に、違和感をおぼえた俺は、あわててその痩身を追いかける。
「待てよ。言ってる意味がわからない。俺よりお前の方が距離は近い。その……幼なじみなんだろ?」
「……あ?」
二宮はめんどくさそうに俺を見た。
そして、チッと舌打ちして、俺を無視して再び歩き出す。
「……あほらしくて説明したくもねぇ。サトに直接聞いたらいいだろ」
……それができたら苦労してねぇっつの。
心で反抗しながら、俺は二宮に頼るのをやめた。
なぜだか、俺への拒否の圧がものすごすぎて、聞く気も失せた。
歩く速度を緩め、二宮と徐々に距離をとってゆく。
……と、ふと、今度は二宮が俺を振り返った。
「……サトは。考え事があったり、心にダメージが大きいことがあったりすると、すぐ食えなくなるし寝れなくなる。……見に行けよ。様子」
驚いて黙る俺に、ポツポツと説明し、二宮はまた歩いていった。
………………。
どうしよう。拒否されてても、行くべきなのか。
俺は、既読のつかないメッセージをみつめ、迷っていた。