第4章 夕虹
ところが、追い付いた俺に怪訝な顔をした二宮は、
「……俺が知るわけないだろ」
それはそれは迷惑そうな顔をして、俺の問いかけを一蹴した。
そのまま、俺を無視して歩いて行く二宮の後ろをついて歩きながら、
「……そうか」
俺は、呟く。
だが、まぁ……そうだな、知るわけないな、と納得するとともに、俺に対する敵意を、二宮からびしびしと感じて戸惑ってしまう。
んだよ、感じ悪いやつ。
俺……なんかした?
あんま、こいつと接点ないと思うけど。
「……まだなんかあんの」
そのまはま黙りこくってる俺に、二宮はさらに冷たい顔で俺を振り返った。
「……いや」
俺が首を振ると、ふんと鼻をならした二宮は、
「……つか、今はお前の方がサトのこと、よく知ってんじゃないの」
と、バッサリ切り捨てた。
……は?
「…………どういうこと」
「俺にいわせんの、それ」
最低だな、と、ぼやいて、二宮は再び歩き出す。