第4章 夕虹
女子たちが、けたたましい笑い声をたてながら、歩いてる。
男子たちも、なにいってんだよーとか、ふざけながら、学校に向かってる。
いつもの登校風景なのに、俺一人だけが周りから取り残されたようで……憂鬱だった。
俺は、重い足をひきずりながら、ふらふら歩く。
大野さんとこんなにも気持ちがすれ違ったことは今まで一度もない。
そして、好きな人に拒否されるほどキツイことはないと知った。
朝食のどんぶり飯も、半分くらいしか食べれなくて、母さんにえらく心配されたしな。
大野さん……ちゃんと食ってるかな
俺は、ぼんやりと歩を進めながら、何気なくはるか前方をみつめる。
すると、小柄な猫背の学生が目に入った。
……あれは
確か、同じクラスの二宮。
大野さんとは親しいといっていた。
幼なじみだって。
今日、大野さんが休みの理由とか……知ってるかな?
どんな情報でもほしくて、俺は早足で二宮を追いかけた。