第4章 夕虹
Jun
…………うそだろ
まさかの大野さんの拒否に、俺は頭が真っ白になった。
俺にしたら、一世一代の告白だ。
もちろん今日しようと思ってなかった。
でも、話の流れで、言わずにはいられなくて。
俺は、ずっとあなたをみてた、と伝えたくて、こぼした思い。
もちろん勝算ゼロとは思ってなかった。
自信だって、ちょっぴりあった。
大野さんの気持ちが、少し俺に向いてる……かも、となんとなく感じてた。
だからこそ、この全面拒否が信じられない。
「……いやだ」
無意識に口をついた。
「俺なんか、……なんて言うなよ」
剣呑とした口調になるのをとめられない。
面倒見がよくて、優しくて可愛らしい大野さんを俺は好きになったんだ。
「アルバイトなんて……関係ねーだろ」
「関係あるよ……」
「ないよ」
「ある」
「ないって!」
思わず怒鳴ったけど、大野さんは悲しそうな顔をするだけで。
「……好きになってもらう資格なんて……俺にはない」
「それは俺が決めることだろ!?」
感情が、ヒートアップしてゆく。