• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第4章 夕虹



ところが、嫌なことや都合の悪いことというのは、狙いうちするようにやってくるもの。


それは、前方から歩いてくる、帽子をかぶった男。


……何気なく目が合う。



…………!



……瞬間、俺は凍りついた。


そいつは、俺に気がつくと、にたと笑ったように見えた。



「今日はそいつが相手か?」



そういってすれ違ってゆく。
俺は聞こえないふりの完全無視で、ひたすら前を向いて歩いた。


俺と大野さんを犯したやつ。
通報されないことをいいことに、まるで警戒心なくこのあたりをうろうろしてるようだった。


「なんだー?知り合いか?」


兄貴が怪訝な顔で後ろを振り返ったけれど、俺は、さあ……と、いって、口を引き結んだ。


「人違いじゃない」

「……人相の悪ぃやつだったな」

「ほんと?みてもないや」


俺の態度に、兄貴はあっさりと前を向いて、再び微かな千鳥足で歩き出した。


「……大丈夫?」

「大丈ーぉー夫。そうだ、ラーメン食って帰るか」

「だめだよ。電車なくなっちゃう」

「いいじゃん」

「……無理。腹一杯だよ、俺」

「えー……だらしねーなー」

「はいはい。今度ね。帰ろ帰ろ」


一刻も早く、ここから離れたかった。

/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp