第4章 夕虹
「……どうした?」
通りの向こうを見て、立ち止まった俺に、兄貴が怪訝な顔をした。
「ん?……うん、この先にKINGがあるんだ」
「……大野の?」
「うん」
「今日は……いるのか」
「……今日は……雅紀さんちに行くって言ってたからいないはずだよ」
兄貴は、ふーん……、と頷いて、俺と共に通りの向こうを凝視した。
「……行ってみるか?」
「え」
「どんなところか。俺が見てやる」
案内しろ、と、兄貴が歩きだした。
いや、それは……、と思ったけど、大野さんのこの案件は、俺一人じゃどうにもならないのも事実。
さらに、あの日から、大野さんが少しばかり他人行儀に、なった気がして、ちょっと気になっていた部分でもあった。
ホールのバイトしてることくらいしか、兄貴には言ってないし。
大丈夫だよね。
俺は、ここ真っ直ぐ、と言いながら、兄貴の隣に並び、歩き始めた。