第4章 夕虹
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彼岸をすぎると急に朝晩が冷え込む。
陽が落ちるのも早くなり、秋の気配がしてきた。
夏の疲れを取り戻そうという名目で、今日は、久々に兄貴と二人で夕飯を食いに街に繰り出していた。
一度家に帰った俺は私服だ。
仕事帰りの兄貴と並んで歩きながら、俺はうきうきと立ち並ぶ店を物色する。
「……何が、食いたいんだ?」
「肉」
「即答だな(笑)」
「食い放題でいいよ」
「……当たり前だ」
苦笑する兄貴と、何度か行ったことのある店に入る。
チェーン店のそこは、リーズナブルなくせに味がよく、常に客で賑わってる。
だが、一時間待ちだといわれて、俺はがっかりした。
「どうする」
「……一時間も待てないよ」
「じゃ、別の店にするか」
だが、金曜日の七時というこの時間は、どこの店も混雑してそうだ。
腹の虫がくうくう鳴る。
いっそ、蕎麦屋でも……と思っていたら、ふと、見覚えのある通りにでたことに気づく。
………………
この道を真っ直ぐいって、右折すると、青いネオンでKINGと書かれた建物があるはずだった。