第4章 夕虹
帰宅後、兄貴の部屋をノックした。
はい、という返答に、静かに扉を開ける。
「……兄貴……ただいま」
「……おう」
窓際にある椅子で、読書をしていたらしき兄貴が、顔をあげた。
「あの……いろいろとありがとう」
夜に突然車をだしてと、無茶なお願いをしたのに、黙ってきいてくれた。
理由もきかずに。
「あの時、頼れるのは兄貴以外いなかったから……とても助かった」
ペコリと礼をすると、兄貴は読んでた本を閉じて、俺を上目遣いに見つめた。
「……別に。お前の頼みだから聞いてやっただけだ」
「うん……ありがと」
ぶっきらぼうだけど、優しい兄貴。
俺の大野さんへの素直な想いを理解してくれてから、今まで以上に無理を聞いてくれるようになってる気がする。
「で?……昨日はどうしてああなったんだ」
だから……隠し事はしちゃいけないと思った。
でも大野さんが、俺を信頼して話してくれたことだから。
売りをしてる話は省いて……KINGの話をした。