第4章 夕虹
俺は、モヤモヤとしながら、大野さんのシャンプーをかりて髪の毛を洗った。
潮風でガシガシだった、くせっ毛が、大野さんの香りになる。
海で遊んでいたときは、こんなことになるなんて思っていなかったのにな……
日焼けでヒリヒリした体を流し、そっと浴室をでた。
ベッドをうかがうと、大野さんの寝息が聞こえてきた。
「…………」
いつもの大野さんなら起きているであろう状況だけに、やっぱり疲れてるんだろうな、と感じた。
あの野郎に、いいように体を弄ばれて……どんなにか苦しかっただろうか、と、思う。
少なくとも、俺は、死にそうだった。
だけど、体を売ってるなら、こういうことって日常的なんだろうか。
大野さんは……ほんとに平気なの?
ホテル前でうずくまってた大野さんの表情が忘れられない、
あれは確かに助けを求めてたもの。
大野さんが、いつも俺の着替えを貸してくれるときにあけてる衣装ケースから、短パンとTシャツを引っ張りだし、身につけた。
眠って少しでも体が癒えたらいいな、と願いながら、俺も床にごろりと寝転んだ。
ベッドに上がる気にはなれなかった。