第4章 夕虹
Jun
……告白された真実に対して、動じない態度をとれたことに、自分で自分をほめてやりたかった。
そうでないと、大野さんが今にも壊れてしまいそうな目をしてたから……必死だった。
俺は、シャワーを頭からかぶりながら、思ってもみなかった膨大な情報量を整理した。
仕事って……マジで……?
排水口に流れていくお湯をみつめる。
年齢を詐称して、酒を提供する場所で働いてるばかりか……体まで売ってたって……
自分には縁遠い話すぎて信じがたいけど。
ただ、思いあたることが、ひとつひとつ浮かぶたびに、それが正解であるからこそ、という事実を思い知らされる、
例えば、あいつにヤられた俺に対して、冷静な対応をみせたこと。
例えば、過去に、虫刺されみたいな赤いあとが、うなじにたくさんついていたこと。
例えば、年齢以上の艶やかな表情をすること。
それらは、すべて経験者であるが故の、反応だったと……今なら分かる。
経験者……か
シャワーをとめて、うつむいた。
大野さんは好きだ。
それは、このような事実を知った今でもかわらない。
でも、大人っぽいと思っていた大野さんが、よりいっそう手の届かない人のように感じてしまうのは……どうしたものかな……。