第4章 夕虹
「…………っ」
ラテの空き容器を、ゴミ箱にぶちこみ、俺は、コーヒーショップを走り出た。
車が来てないか確認して、車道を横切る。
道沿いに植えられた植え込みを蹴散らして、膝をついてる大野さんに駆け寄った。
「大野さん……!」
「……まつ……もと?」
血の気のない顔で、俺を見上げた大野さんは目を見開いた。
「なんで……いるの」
「……ごめん。大野さんがどこに行くか気になって……」
「……あと、つけたんだ」
歯切れの悪い俺に、大野さんは少し非難めいた顔をした。
俺は、あわてて言い訳をする。
「だって……今日はKINGって言ったじゃん……!」
「……予定がかわったんだよ」
言いながら、大野さんは、電信柱にもたれたまま、ずるずると座り込んだ。
具合の悪そうな顔に、心配になる。
「どうしたの……?大丈夫?」
「ちょっとダルいだけ。休んだら帰るから、松本は先に帰って」
追い払われそうになって、俺は、咄嗟に首を振った。
「でもっ……」
「いいから。俺は平気だから」
ちっとも平気じゃない顔で、断られる。
さっきまでの柔らかな雰囲気の大野さんじゃない。
ピリピリと張りつめたような……苛立ちすら感じられて、俺は混乱した。