第4章 夕虹
オーナーに言われていたホテルの一室。
シャワーを浴び、バスローブでベッドに腰かけ、その時を待つ。
客が呼び鈴をならして、俺が扉をあけたところから仕事スタートだ、
日焼けのせいでシャワーを浴びたらヒリヒリした。
シャツのそでのかたちで焼けた腕に、客が興ざめしてやめてくれないかな、なんて、無駄なことを思ってしまった。
リョウスケのように、白く透き通るような肌を好む人なら、俺、怒られるかもなぁ……
俺は、はぁ……とためいきをついて、ベッドサイドの時計に目を走らせた。
……あと15分か。
九時には客が来る。
幸せな気分の日に、あまり無茶なことはされたくないんだけどな……
バスローブのすそのほつれを、爪でいじりながら、ゆっくりと体を横にした。
最後までごねた松本を、宥めたおし、駅前で別れたのが一時間前。
でも、内心は、ここに来るのが嫌で嫌で。
リョウスケのピンチヒッターでなければ、本気で、すっぽかしていたかもしれない。
だめだ。
……マジでもう辞めよう。
そこまで考えたとき、ピンポンと呼び鈴がなった。
……自分で受けた以上は……仕事だ。
俺は、はい、と言って、扉をあけた。
客の顔を静かに見上げ、
「……………っ」
息を飲んだ。
……なんで……
「……うわお……あんたにあたるなんてラッキー」
そこには、…………KINGで俺に絡み、松本を襲った男がニヤリと笑って立っていた。