第4章 夕虹
酒、タバコ。
……セックス……金。
おおよそ、この年齢にはそぐわないことに囲まれてきた俺は、常に鎧を着て生きてきた。
そんななか、雅紀さんとニノの前でだけ、自分を出すことができていた。
それでバランスをとっていたんだ。
でも、ニノが俺の前からいなくなり、今や、松本という、それを上回る存在が現れてしまい……我ながら、精神的にキてると思う。
嫌われたくない、軽蔑されたくない、という思いが強くて、今までの俺じゃいられなくなってる。
……やっぱり、辞めよう。
この夏で、KINGも裏も。
雅紀さんに渡したいお金は……他でまた働こう。
松本と同じファミレスで働くのもいいかもしれないな。
「……よし、決めた……」
俺は、自分の進むべき方向性を決め、一人うなずく。
そこへ、狙いすましたように、半パンのポケットにいれたままの、スマホが鳴り出した。
画面をみて、
…………
唇をかんだ。
……出ないわけにはいかない。
仕方なく画面を撫でた。
「……はい」
『今、大丈夫か』
「はい」
KINGのオーナーである坂本からだった。
『……今日は店だったと思うけど。裏いけるか。リョウスケが体調崩したらしくてな……』
「……はい」
『すまんな。この間と同じホテルだ。1102室』
「……わかりました」
通話が切れる。
暗い気持ちで、画面をみる。
だめだ。
なんとかしないと、こうやってずるずると……
「!!」
突如、首筋に、ひやりとしたものが触れた。