第4章 夕虹
俺は、その大野さんのキラキラな笑顔に完全に撃ち抜かれた。
ドラマとかで、こんなシーンよくみる。
彼女が波でキャーとかやってるやつ。
あんなんみるたびに、
「ありえねーだろ、彼女にそんなベタなことされたら引くわ」
なんて、俺は、周りにほざいていたけど。
「……」
ちがう。
ほんとに惚れてる相手にそんなことされたら、あまりの可愛さに惚れ直すんだって……初めて分かった。
「めっちゃくちゃ気持ちいいよ?汗がひくなぁ」
細い足首まで水につけて、波を楽しんでる大野さん。
俺は、彼のスニーカーを持ったまま、幸せな気持ちだった。
波間にうつる太陽の光が、キラキラして。
パシャリと、波を蹴る大野さんの足は、綺麗で。
俺を見て微笑む顔が可愛く……
「冷たっ!」
……女と違うのは、波を手ではなく、足で蹴って、相手にかけてくるところかもしれない。
結構な量の水しぶきが、俺の顔にかかった。
「気持ちいーだろー?」
無邪気に笑う大野さんに、俺は、すかさずはいてたスニーカーを脱ぎ波を蹴るために走り出した。